2011年8月28日日曜日

Nagra III のカタログと回路図

 歴史的にも貴重な1966年のNAGRA IIIのカタログと回路図。この時代、まだ現役の真空管は使用されていない。トランジスタは全てゲルマニウム。フライホイールの慣性に頼るのでなく、ダイレクトドライブのモータにFGサーボをかけて安定化。
 さらに究極のネオパイロットシステムにより撮影機との完全同期を実現。絵と音はまったくずれることがなくなった。1963年発売のNAGRA IIIは、当時の技術水準からして、あまりに画期的、この時代に完成できたのが不思議である。クデルスキーは天才の範疇を超えているので、未来からのタイムトラベラーではないかと疑ってしまうほどだ。







2011年8月17日水曜日

真空管式電子計算機 FUJIC

 日本で最初に稼動した真空管式コンピュータ FUJIC。国立科学博物館に整備されることなく残骸?が展示されている。

 国家プロジェクトのTACより先に完成、稼動した。先に完成できたのは岡崎氏の能力もあるが、優れたオシロスコープの有無にあったかもしれない。この時代のオシロスコープは当然、真空管式だが、テクトロニクスがあるかどうかで勝敗は決まった。開発時に予算申請してないものの調達は今も昔も超大変だ。(たとえそれがどんなに必要でも)




以下は

日本のコンピュータ開発群像 日刊工業より

 真空管式のコンピュータはどれも完成までの期間が長い。 第1に真空管そのものに信頼性がなかった。そして、始めは 信頼性がコンピュータにとっていかに大事かという設計の基本の考え方がまだ十分にはなかった。なにより調整に必要な測定器が 揃っていない。FUJICでは岡崎氏が「NHK技術研究所」の木下幸次郎さんに頼んでテクトロニクスの測定器を借り受け、土曜の 午後に小田原に運び土日いっぱい使って、月曜の朝、東京の同萱へ返しに いくという使い方をし、そのありがたさというか、必要性を知って後に自社用を買い入れた」 真空管式コンピュータは例外なく信頼性で痛い目にあった。 そのことが、のちのちコンピュータ開発に教訓として生きた。
 TACが動かないことの原因のひとつに、調整手段の不備ということ があった。再スタートしたTACは、このためシンクロスコープを 入手することが第一に必要だった。 東大はこれを購入した。「村田くんが、借金を質においても シンクロスコープを買ってくれというものだからテクトロニクスの ものを無理して買った。それで、アラがわかって、TACがぐんぐんと 進むようになった。もっとも、あとで、金が足りなくなって 困ったが」と雨宮氏。 「使ってみて、びっくりした。トラホームの目が、急に晴れたような 気持ちだった」と村田氏。



































 1957(昭和32)年10月4日付、朝日新聞のコラム「フィルター」 に「超スローモの電子計算器」と題する記事が載った。筆者は「探針子」 とある。内容は、まず、文部省科学研究費の第1回機関研究にTACが 選ばれたこと、予定の昭和29年春に間に合わなかったのは、別段驚く にあたらぬ」としながら「由来、電子計算機にはフォンノイマンとやらの 法則があって、いつ聞かれても「完成は半年先」と答えるのが国際的 現象という」と皮肉り、「しかし、すでに6年目を迎えたいま...未完成 のまま眠っているとあっては、単に東大と東芝の恥辱にとどまらず、 まことに奇怪な物語ではないか」と書く。 そして、次のような辛辣な文章が続く。 研究に失敗はつきものである。これ以上どうにもならぬなら、いさぎよく 失敗を認めてその経過と原因を学会に報告し、今後の教訓とすべきである。 最初の目標を変更して形がつくものなら磯井で呈せ異能のものに切り替えて まとめっるべきである。3千万円ではあ最初から予算の見積もり違いだった というのなら、さらに文部省に予算を請求すべきである。 (外国では1億円かかるのに3千万円でできるのが特徴だと宣伝されていた はずだが)。そのいずれをも怠ってウヤムヤにすれば、こんご電子計算機 の研究にはいっさい、金がでなくなるばかりか「研究費が足りない」 などという学者の言葉を国民は頭から信用しなくなるに違いない。 要は学者の良心の問題と責任の所存の不明確さにある」 「探針子」とは誰か、当時はあれこれの推測があったというが、 誰であるにしろ、これはTACの事情に相当よく通じていた人で あるのは確かだろう。

 TACは難航した。日本で初めての真空管コンピュータだから、簡単に できるとは誰もいえなかったわけだが、その言い訳も実は通用しなくなった。 1956(昭和31)年3月、日本初のエレクトリックコンピュータ、 FUJICが、富士写真フィルムで完成したのである。 FUJICは、たとえば真空管の数にしても、TACの7000本に対し、 1800本と少ない。メモリも、FUJICは水銀遅延線を使っている。 しかし、TACが、計算機に関する研究者の集まっている東大と、 電気電子メーカである東芝とが共同で取り組んでいたのに比べ、FUJIC は、当時、電子とは無縁のカメラメーカで、しかも、人手は手伝いの女性社員を入れても5~6人というものだった。 開発者の岡崎文次氏が基礎研究に着手してから完成するまで7年かかって いるが、ともあれ最初に完成したのはFUJICだった。




2011年8月9日火曜日

STELLAVOX SP-7 のモーター

ステラボックスSP-7のモーターを分解してみた。NAGRAと同じキャプスタンダイレクトドライブだがモータの構造はずいぶん違う。下の写真は整流ブラシの押さえバネ。接点切り変わり時に一瞬短絡するが大きな貫通電流が流れないよう各接点、直列に22Ωが入っている。また、雑音軽減用のインダクタとコンデンサもプリント基板上に実装されている。
整流子押さえバネ

キャプスタン側磁石
 下は永久磁石。コイルが巻かれているが、これは生産時の着磁用と思われる。すなわち、モータ組み立て終了後、強力な電流を流して着磁、永久磁石を作成する。(配線はモータの外に引きだされているが、本体の電気回路とは何も接続されていない。)
キャピスタン側磁石拡大
 回転数の検出は光による。下の写真の右側のアルミブロックにランプとフォトトランジスタが封入されている。ランプはエポキシで固められているので、万一、故障した場合はアルミブロックごと交換。
あるいは、モータごと交換か?
モータ全景
 回転子の外側に縦のパターンが印刷されており、ランプで照明。フォトトランジスタで回転数を検出、回転数が一定になるよう制御する。
光による回転数検出

ロータを外した状態
 中央部が電気ブラシ。NAGRAと異なり、モータの最深部にあるので、接点の清掃は簡単にはできない。
中央部整流ブラシ拡大

回転子と接点部

回転検出用パターン

NAGRAと同様、フィードバックをかけなくとも、スムーズに回転する。


2011年8月6日土曜日

南国のうまいもの

 「名物にうまいものなし」はある程度真実だが、中には例外もあるようだ。下記は西表産の牛肉のラー油漬け? 最近では食べるラー油等が人気だが、それらとは別物と考えて良い。「いただきます」は西表上原港の売店等でみやげものとして売られている。適度な辛味と上質の牛肉の旨さはごはんのお供に最適。(食パンのジャム代わりやラーメンのトッピングもお奨め)癖になる味。気に入ったら下記から購入できる。


また同サイトで扱っているパイン&マンゴジャムも少し高いが絶品だ。
「いただきます」とパイン&マンゴジャム
 スーパには海外産のパインやマンゴが並んでいるが、西表や石垣産は、まったく別物の味。果物の王様マンゴの名に恥じない。
西表アララガマ農園のマンゴとパイナップル
 石垣島ジンジャーエール「アスル」氷を入れて飲むとこれが旨い。少量でもまさに「効くー」夏の清涼飲料にベストマッチ。下記より、通販にて入手可能。

http://arcoiris.ocnk.net/product/55


石垣島ジンジャーエール「アスル」

アスルの説明