2011年7月5日火曜日

Nagra III  IV のモーター

NAGRA モターの構造と交換用電気ブラシ
NAGRA III および IVに使用されているモータはブラシ部のわずかな違いを除いてほぼ同じ。定格電圧は15V、電流は10~15mA(無負荷)で、サーボをかけなくとも驚くほど静か、かつスムーズに回転する。
NAGRA III の モーター
 重量は612グラム、12極DCブラシモーター
12極回転子

キャプスタンはモータ下部の軸受けと最上部の軸受けで支えられる理にかなった設計。このためピンチローラが当たってもまったくぶれない。フライホイールの重さは240グラム。周囲のミゾ(歯車)は回転検出用。磁気ヘッドで回転を周波数に変換、この周波数が一定になるようサーボをかけて回転を安定化する。
ダイレクトドライブのキャプスタン

 ブラシは2重(わずかに相をずらして)になっているのが特徴。IV型では2重ブラシは廃止されている。ブラシの材料はグラファイト?ブラシからの雑音防止用に0.1マイクロのコンデンサが入っている。(写真 中央の赤色がコンデンサ)
III用モータのブラシ部
 超マニアックな巻線。NAGRA IIIは1963年ごろの登場。その当時、これほどのモータを作れたのは脅威と言うしかない。
内部の巻線部分
NAGRA IVではブラシは1組になり、雑音除去用のコンデンサの代わりにコイルが追加されている。
NAGRA IVのモーター
おまけとしてNAGRAのライバル、STELLAVOXのモータも紹介しておく。どちらもダイレクトドライブだがステラボックスのほうがキャプスタンが細く、半分くらいの太さ。従って同じテープ速度ではステラボックスのほうが高速回転になる。モータのスピード検出はランプとフォトトランジスタによる非接触光検出方式。直径はやや大きいが厚みはNAGRAの1/3の薄型。
ステラボックス(SP-7)のモータ
ブラシが6個あるのが特徴。中央赤色の電線の先にブラシがある。ブラシの先は22Ωの抵抗があり貫通電流を防いでいる。NAGRAのブラシは消耗したら交換可能だが、こちらはモーターごと交換が保守のポリシーらしい。
ステラボックスのモーター

0 件のコメント:

コメントを投稿