2011年7月7日木曜日

Nagra III の改造

NAGRA III は1963年発売の製品。そのスムーズなテープ走行や職人芸的な機械加工と精度は、見ていて飽きない。III型とIV型は共通に使える部品も多いので少しだけ?改造してみた。残念ながら内部の電子回路は非常に巧妙に設計されており、改造は難しい。
NAGRA III 改
 NAGRA 4.2のメータに交換してみた。III型と感度は同じ。その横のシンクロインジケータも4.2用に交換、出っ張りがなくなった。
NAGRA4.2のメータに交換
 インピーダンスローラをテープカウンタに交換。リール台の回転数でなく、テープの走行長を測定しているので慣れれば残時間カウンタとしても使える。
NAGRA4.2のテープカウンタに交換
 ベルトを交換。ただし、モータおよび取り付け台を外す必要があり、思ったほど簡単には交換できない。モーターケースはピカールで磨いたら、まさにピカピカになった。
ドライブベルト交換
 入手時には既に取り付けられていたネオパイロット用の50/60Hz水晶発振回路基板。映画の絵と音が1秒もずれたら話にならない。ネオパイロットは録音時に特殊な方法で50または60Hzを記録しておき再生時は外部からの50Hz 60Hzに同期するようテープ速度を制御する究極の方法。これによりテープの続く限り、ビタ0.1秒ずれることはない。なお、4型以降のステレオタイプは第3の専用トラックを設けて同様の信号を記録している。あたりまえだが、このトラックの周波数をカウントすれば正確なテープ位置(時間)を知ることができる。
50/60Hz 水晶発振器
 ベルト交換時リール台も一部外す必要があるが、外すとテンションの調整が非常にシビアかつ難しいことに気がつく。
マイナスネジは6角ネジに交換
 NAGRA ATNのケースとトランスを利用したDC電源。ケースは鉄製。塗装は剥がして磨いた。
NAGRA ATN を改造したDC電源
 交流入力は計測機では一般的な3Pインレットを採用。
AC入力はインレットに交換
 トランスが大きく、インレット等必要な部品を押し込めるのに苦労した。電解コンデンサ等、もとの部品は経年変化で劣化しており、トランス以外の電気部品は再利用しなかった。
トランス以外は全て変更、交換
 詰め込むのに苦労した2次側整流回路。
隙間に押し込んだ電解コンデンサ等

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